金門橋攻撃の信憑性は The FBI had been skeptical of the veracity of the threat from the start. [San Francisco Chronicle Nov 7, 2001] 先日のこの欄で、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジやベイブリッジが、テロ攻撃のターゲットになっていることをとカリフォルニア州のデービス知事が警告した、と書いた。危ないと言われていた期間は、11月2日から7日まで。その7日を過ぎても、結局何も起きなかった。 そのデービス知事の警告についてのFBIの見方が、本日の文の内容。 いわく 「FBIは、はじめからその脅威(テロ攻撃のこと)の信憑性に疑いを持っていた。」 veracityというのは、ラテン語起源の単語で、「真実性、正しいこと、正直さ」といった意味。同じ語源の言葉としては、形容詞のveracious「真実な、正しい、正直な」などがある。ついでに言うと、Veracruz(ベラクルース)というメキシコの港町の名前の vera も同じ語源。cruz は、英語で言うと cross つまり十字架だから、Veracruzは「真の十字架」という意味。Veracruzは、メキシコ湾沿いにある町で、スペイン人が1519年にメキシコに最初に建設した町だ。建設したのは、メキシコ征服で有名なHernan Cortes(エルナーン・コルテース)。Veracruzは、スペインとの交易の表玄関として重要な役割を担うことになった。 be skeptical of は「〜に疑いを持っている、懐疑的である」ということ。 連邦政府の司法長官が、具体的にどのようなテロが起きるか明確にしないまま10月末に2度目のテロが計画されている"credible evidence"があると、発表してから、直後にカリフォルニアのデービス知事が具体的なターゲットとしての橋の名前を挙げた。 でもテロは起きなかった。少なくとも今のところは。 一体、どのような場合に国民に警告を発するべきなのか、米国では、今日はテレビやラジオで盛んに論じられている。 いずれにせよ、難しい問題だ。"Better safe than sorry."という言葉もあるし。日本語で言えば、「後悔先に立たず」といった言い回しが該当するかな。 (Nov 8, 2001) |