日本におけるロシア語同時通訳の第一人者として活躍し、晩年は異文化への該博な知識とエスプリのきいたエッセーで名をはせて56年の人生を駆け抜けた米原万里。
現在、論壇で大活躍する日本屈指のロシア通である佐藤優はこう言う。「私のロシア語など百年経っても米原万里さんの水準には及ばない。」
また、佐藤はエリツィンの米原への信頼に触れ、こうも述べる。
「エリツィン大統領は米原万里さんをとても信頼していた。実は、ごく限られた人々にしか知られていないが、ソ連崩壊前、ロシア共和国最高会議議長時代のエリツィンの対日政策には米原万里さんの意見がかなり反映されていたのである。」
(佐藤優 『インテリジェンス人間論』
新潮社、2007)
【米原万里の対談・エッセー等へのリンク】
■米原万里・糸井重里 対談[言葉の戦争と平和。米原万里さんとの時間。]
ほぼ日刊イトイ新聞。
■通訳ソーウツ日記 米原万里ら7人の通訳者による連載エッセー。スペースアルク。
■米原万里インタビューPartT外国との遭遇
/ PartU 外国語が上達するための学習方法
日航財団
■対談・田丸久美子×米原万里「イタリアの男と日本の男、ここが違う!?」
文藝春秋 『本の話』2005年9月号
■基調講演「本は理想的な日本語と外国語の教師」 21世紀活字文化プロジェクト
■追悼集
米原万里さんを偲ぶ ロシア語通訳協会
【米原万里の著作】
■不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か
(新潮文庫) 新潮社(1997) 読売文学賞随筆・紀行賞を受賞した処女作。抱腹絶倒のエッセー。
■嘘つきアーニャの真っ赤な真実
(角川文庫)
角川書店(2004) 大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
■魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章
(新潮文庫)
新潮社(1999) 講談社エッセイ賞受賞作。松岡正剛による本書の書評(千夜千冊)
■ガセネッタ
& シモネッタ (文春文庫)文藝春秋(2003)
抱腹絶倒な通訳稼業の舞台裏を描いたたエッセイ集。
■ロシアは今日も荒れ模様
(講談社文庫)
講談社(2001)
■真夜中の太陽
(中公文庫)
中央公論新社(2004) 時事エッセイ集。
■真昼の星空
(中公文庫)
中央公論新社(2005)
■ヒトのオスは飼わないの?
(文春文庫)
文藝春秋(2005)
■終生ヒトのオスは飼わず
文藝春秋 (2007)
■オリガ・モリソヴナの反語法
(集英社文庫)集英社(2005)
Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞の長編小説。
■旅行者の朝食
(文春文庫)
文藝春秋(2004) ロシアを中心に古今東西のヘンな食べ物について薀蓄を傾けるグルメ・エッセイ集。
■パンツの面目ふんどしの沽券 筑摩書房(2005)
■他諺の空似
ことわざ人類学 光文社(2006)
世界の似たことわざを軽妙に紹介。
■必笑小咄のテクニック
(集英社新書)
集英社(2005) 巷間流布する笑いの法則を突き止めて分類し、笑いの本質に迫る。
■米原万里の「愛の法則」
(集英社新書)集英社(2007)
■発明マニア
毎日新聞社(2007)
■打ちのめされるようなすごい本
文藝春秋(2006)
【米原万里の翻訳書】
■わたしの外国語学習法
(ちくま学芸文庫)
筑摩書房(2000) ロンブ カトー著、ほとんど自国を出ることなく、 25年間に16ヵ国語を純粋に学習という形で身につけてしまった女性の外国語習得術。
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