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【コラム】 英語ひとくち解説
−ちょっと雑学−
ネットの話題や時事問題で英語の勉強を
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アメリカの新聞・雑誌の記事などから題材をとり、生きた英語表現やその周辺事情を語るコラム。
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ぎりぎりになって、あふれかえる厚意 |
Bay Area donors responded to news of a turkey
shortage at local food banks and soup kitchens with an
eleventh-hour outpouring of generosity yesterday.
[San
Francisco Chronicle Nov 22, 2001]
◆記事全文◆
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今日は、アメリカではThanksgiving(感謝祭)だ。昨日も書いたが、Thanksgivingの夜は、家族や親戚が七面鳥の夕食を囲んで団欒するというのが、アメリカ人の一般的な過ごし方である。
ただ、残念ながら豊かさの影で日々の食事にも事欠く人々も決して少なくない。
私はサンフランシスコの町のど真ん中に住んでいるが、街じゅうににホームレスの姿が目立つのは悲しい限り。家の無い人が寝泊りできるように、簡易宿泊施設のhomeless
shelterもあるが、とてもそれでは街じゅうの家なき人々を収容しきれない。
Thanksgivingを前にして、景気の悪化や同時多発テロ被害への寄付への集中などの影響もあり、恵まれない人にThanksgivingディナー用の七面鳥を配るための十分な寄付が集まらないことが、数日前報道された。
その報道が知れわたるや否や、food bankやsoup kitchenには、Thanksgivingぎりぎりになって寄付が殺到したというのが、本日取り上げた記事。
food bank や soup kitchen というのは、アメリカで、貧しい人々に食糧を配る施設のことをいう。
Bay Areaとは、サンフランシスコ湾一帯の地域のことで、サンフランシスコを中心にバークレーやオークランドのあるEast
Bay、シリコンバレーとその中心地のサンノゼのあるSouth Bayなどが含まれる。
本日のキーフレーズである eleventh-hour は、「ぎりぎりの、最後の段階の」という意味。ここでは、outpouring「流出、どっと寄せられるもの」にかかる形容詞として使われている。
at the eleventh hour「ぎりぎりのところで、土壇場で、最後の段階で」という表現でもよく使われる。
このeleventh-hourは、新約聖書の「マタイによる福音書」に起源を持つ言葉だ。
聖書の該当箇所
聖書に起源をもつ日常語は、とても多い。日本語を考えてみても、普段意識もせずに使っている言葉が、もともと仏教やサンスクリット起源の言葉というのも多いですからね。
(Nov 22, 2001) |
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